Human Powered 対面 in OSAKA!
2025年11月8日(土曜日)
場所:〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1丁目3−1会議室1181(大阪駅前第1ビル11階)
イベント概要
Human Powered 対面 in OSAKA!
― 人間としての翻訳者再考 ―
いま、私たちは「人間としての翻訳者とは」という命題を、あらためて見つめ直さなければならない時代を生きているのかもしれません。 便利さや速さだけが重視される世の中で、言葉を扱う仕事も大きく姿を変えつつあります。 しかしその中で、どこかに置き去りにされそうになっているものがあります。 それは、人間そのものではないでしょうか。 そして翻訳者が言葉に込める呼吸、感情、そして関係性も、再考するときが来たように感じます。
翻訳は、単なる情報の置き換えではなく、「誰かが誰かに伝えようとする意志」を受け取り、 もう一度、別の言葉で文化を反映させつつ生まれ変わらせる行為です。 そこには常に「人間」がいて、その人の感性や判断、そして生き方までもが反映されます。
今回の「Human Powered 対面 in OSAKA」では、現場の最前線でことばと向き合う4名の登壇者をお迎えし、 翻訳という仕事をもう一度見つめ直します。
翻訳という営みの原点に立ち返り、「人間としての翻訳者」の意味を共に考える一日です。一緒に翻訳者としての自分を振り返ってみませんか。
お昼は、会議室内へのコンビニなどの軽食の持ち込みも可能です。また、近隣のカフェや食堂で少人数でお食事いただくのもおすすめです。 お水のみになりますが、こちらでお一人につき1本ご用意いたします。
ぜひ、隣に座った方や登壇者の方とも気軽に交流を深めてください。また終了後は近くで希望者のみで懇親会を行なう予定です。
11月8日(土)
- :第1部 組織翻訳とAI時代のプロジェクトマネジメント―ISO17100認証翻訳サービスプロバイダー(TSP)の現場から
- :第2部 どツボ案件を避けるには:準備、確認、コミュニケーション。そして嗅覚を育てましょう!
- :昼休憩
- :第3部 翻訳者のためのブランディング戦略――「ストーリーテリング」を意識した発信と信頼構築
- :第4部 あなたのCV、伝わってますか?翻訳者のためのCV講座
- :ディスカッション
- :終了
佐藤晶子

第1部 組織翻訳とAI時代のプロジェクトマネジメント―ISO17100認証翻訳サービスプロバイダー(TSP)の現場から
組織内で翻訳業務を管理する立場になったとき、あるいは翻訳会社からプロジェクトマネジメントを任されたとき、翻訳者はどのような視点を持つべきでしょうか。生成AIやMTが日常的に使われる今、品質を保証し、クライアントの要求を満たすためには、単に「訳す」だけでなく、プロセス全体を設計・管理するスキルが求められます。
本セッションでは、ISO17100認証翻訳サービスプロバイダー(TSP)のプロジェクトマネジャーとして携わってきた経験をもとに、組織内翻訳における品質管理の実際、生成AIを活用した多言語翻訳のポストエディット業務の流れ、そして国際標準に沿ったプロジェクト運営の考え方についてお話しします。
フリーランスとして翻訳に従事する方々にとっても、組織の視点を理解することは、クライアントとのコミュニケーションやご自身の業務設計に役立つはずです。「人間だからこそできる翻訳」を支えるマネジメントの視点を一緒に考えませんか。
プロフィール
佐藤晶子(Akiko Sato)
京都外国語大学外国語学部英米語学科教授。東京都出身、神戸市在住。組織従業員および個人事業主として翻訳・通訳業務に従事してきた経験を持つ。JAT会員、JTF個人会員、ISOTC37国内委員会委員。ISO17100:2015認証取得者(JSAT011)、ISO9001 QMS Associate Auditor(IRCA6129348)。組織内翻訳における品質管理、AI活用時代の翻訳プロセス設計、国際標準に基づくプロジェクトマネジメントなどを専門とする。翻訳の現場と教育の両面から、これからの翻訳者に必要なスキルと視点を探求している。
第2部 どツボ案件を避けるには:準備、確認、コミュニケーション。そして嗅覚を育てましょう!
引き受けたものの、調査に時間がかかって納期ギリギリで焦ったことはありませんか?夜中に、必要な資料が足りないことに気が付き滝汗をかいたことは?チェックする文書の訳文がごっそり抜けていたことは?
こういう「どツボ案件」(T氏命名)を避けるにはどうしたらいいでしょうか。運が悪かったと睡眠時間を割いたり、時間当たりに換算してため息をついたりしなくてもいいように、どツボ案件の避け方、どツボに嵌ってしまった場合の対処法をお伝えします。怪しい臭いがする案件、辛くて泣きそうになる案件を前にしたときに、少しでも楽に・有利に対処する助けになりますように。
プロフィール
鈴木のぶみ(Nobumi Suzuki)
英日フリーランス翻訳者・翻訳校正者・校正者。40代で高校教員を病気退職。インハウスと在宅で翻訳チェッカーをしながら翻訳学校に通い、卒業後翻訳メインで在宅に。2019年から両親のダブル介護開始。昨年、父を見送った後に叔母の介護が始まり、海外の会社を中心に翻訳レビューメインで取引している。
鈴木のぶみ

渡邉ユカリ

第3部 翻訳者のためのブランディング戦略――「ストーリーテリング」を意識した発信と信頼構築
「いい仕事をしているつもりなのに、なぜ仕事が増えないのだろう?」 そう感じたことはありませんか。翻訳という仕事は品質が大切である一方で、マーケティングの観点から見ると、「いい商品」だからといって必ずしも「売れる」わけではありません。顧客が発注を決める理由は、品質と価格だけではないからです。
自分の仕事に込める思い、歩んできたストーリー、そしてどんな価値を提供したいのか。それらを発信することで、顧客は「この人にお願いしたい」と感じます。翻訳者自身が自分の物語を語り、ファンを生み出し、信頼を積み重ねていく、そのプロセスこそが「ブランディング」であり、継続的に仕事を得るための鍵となります。
本セッションでは、「自分の物語」で仕事を呼び込む流れをつくるための考え方と実践のヒントについてお話しします。
プロフィール
渡邉ユカリ(Yukari Watanabe)
英日・日英フリーランス翻訳者。愛知県立大学外国語学部卒。ホテル勤務、メーカーでの貿易事務職、社内翻訳者を経て2011年にフリーランスへ転向。訳書にジョエル・レビー著『A CURIOUS HISTORY 数学大百科』『あなたも心理学者!これだけキーワード50』、ヘンリー・ブライトン著『人工知能グラフィックガイド』(浅野ユカリ名義)、ベン・リンチ著『ダーティー ジーン/Dirty Genes』(渡邉ユカリ名義)。金城学院大学非常勤講師。
第4部 あなたのCV、伝わってますか?翻訳者のためのCV講座
翻訳会社や、翻訳を必要とする企業に応募する際に使用される履歴書について、日本語・英語を問わず、内容を十分に活かしきれていないケースが多いと感じます。 本セミナーでは、翻訳者が日本語および英語(外国語)でCVを作成する際のポイントを、採用・発注する立場から解説します。 書くべきこと、避けるべきこと、そして「選ばれる」CVにするための実践的なヒントをお伝えします。
ご希望の方はCVを送っていただければ、ワンポイントアドバイスをお返しします。ただし、お送りいただいたCVは、個人が特定されない形で内容を一部ぼかし、講座内で事例としてご紹介する場合がありますのでご了承ください。
マイアット かおり


ディスカッション
登壇者とディスカッションパートナーによる対話セッション。翻訳という仕事の本質について、様々な角度から議論を深めていきます。参加者からの質問も受け付けます。
ディスカッションパートナー Kaori Myatt

お問い合わせはお気軽に info@humanpowered.academy まで