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翻訳用語集で効率アップ!作り方や管理方法を解説

翻訳用語集で効率アップ!作り方や管理方法を解説

「用語集を作成したいけど、どうやって作ったら良いのかわからない」という方は多いのではないでしょうか?

用語集を使うことで訳語のブレや誤用を防ぎ、翻訳の品質を高めたり、作業を大幅に効率化できます。

特に技術文書などを翻訳する際は、決められた用語を使用しないと誤訳になったり、読み手に誤解を与えてしまう場合があるので、用語には注意が必要です。

そこで今回は、用語集の作り方や運用方法のポイントについて解説していきます。

用語集を作るメリット

用語集を作成することによって、以下のようなメリットがあります。

翻訳の質が保てる

用語集を作ることで訳ブレや用語の間違いを防ぎ、全体に統一感をもたせることで翻訳の品質を保てます。また、翻訳を外注する際にも用語の統一性や品質の確保に役立ちます。

リサーチの手間を省ける

使用すべき用語をあらかじめ登録しておくことで、翻訳時のリサーチなどにかかる時間を削減でき、作業効率を高められます

資産として蓄積できる

用語集を適切に管理することで、翻訳資産として蓄積できます。蓄積した資産は、今後の翻訳プロジェクトの品質アップや効率化、コストカットに活用していけます。

用語集の作成方法

用語集はWordやメモ帳など、どんな形式でも問題ありませんが、使いやすさや運用のしやすさを考えるとExcelやGoogleスプレッドシートで作成するのがおすすめです。

とくにGoogleスプレッドシートなら、ブラウザ上で同時に複数の人が閲覧・編集できるので便利です。ただし、リアルタイムで編集されていくため、編集前のバージョンを残したいという場合は、編集前に都度コピーを作成するか、Excelにダウンロードする必要があります。

用語を登録していく方法は主に下記の2つのパターンがあります。

  1. 翻訳済みの文書や、参考資料の原文と訳文から用語を抽出する
  2. 翻訳作業を行いながら用語を抽出する

いずれの場合も、翻訳支援ツールを使用することで効率的に登録作業を行えます

翻訳支援ツールとは、翻訳作業を支援するさまざまな機能を有するソフトウェアの総称で、産業翻訳の分野で広く利用されています。

なお、登録する際はあくまでも単語単位で用語を登録しましょう。文章単位で登録してしまうと使い勝手が悪く、活用できない用語集になってしまいます。

用語集の項目

用語集に設ける項目には以下のようなものがあります。

原文

オリジナル言語の用語です。なんでもかんでも登録してしまうと使い勝手が悪くなってしまうため、登録する基準なども事前に決めておくと良いでしょう。

訳文

翻訳言語(ターゲット言語)の用語です。

備考(note)

用語の使用場面、文脈や場面で訳し分けが必要な場合は、備考欄に説明を明記します。そのほか、用語の出典など、必要な情報を記載します。

用語の分野(カテゴリ)

分野や使用目的によって、同じ用語でも訳語が変わる場合があるため、どの分野で使用する用語なのかがわかるように、分野の項目を設けます。分野ごとに用語集を分けて作る方法もあります。

記載者

複数名で管理している場合は誰が記載したのかわかるように、あると便利な項目です。Googleスプレッドシートであれば誰がいつ記入・修正したのか履歴が残るため、この項目はなくても大丈夫です。

記載日(更新日)

いつ記載したのか、更新したのかを記す項目です。こちらもGoogleスプレッドシートなら履歴が残るため、なくても大丈夫です。

翻訳支援ツールへの活用

Memsource、MemoQ、SDLトラドスなど、翻訳支援ツールによってはExcel形式の用語集を取り込んでセットできます。

翻訳支援ツールでの使用を前提として作成する場合、ツール上で正しく表示され、使いやすい用語集になるように、用語登録時に留意する必要があります。

用語集作成の注意点

用語集作成の際には以下のような点に注意しましょう。

事前にルールを作り、関係者と共有しておく

どのような基準で用語集に登録するのか(登録する用語、しない用語)、管理者や運用方法はどうするのかなど、事前にルールを作成して関係者と共有しておきましょう。

1つの原語に対して1つの訳語

登録する用語はかならず1つの原語に対して1つの訳語になるようにしましょう。

同じ原語に対して複数の訳語が登録されている(訳ブレしている)、または原語が違うのに同じ訳語が複数あるなど、徹底が出来ていないと混乱を招き、余計な手間と時間がかかってしまいます。

動詞は登録しない

動詞は訳語を限定すると、繋がりが不自然になって翻訳の品質を下げてしまう場合があります。また、原文が動詞であったとしても、訳文も必ず動詞になるとは限りません。そのため、動詞は用語集に登録しないほうが良いでしょう。

他の資料との整合性

他にスタイルガイドや翻訳メモリ、他の用語集や過去の翻訳物などの参考資料がある場合は、それらの資料との整合性が取れているかも確認しておきましょう。齟齬が生じている用語集を使用する場合、どの資料を優先するのか、翻訳作業前に作業者に優先順位を指示しておく必要があります。

用語集の管理方法

作成した用語集は、正しく管理しないと翻訳資産としては活用できません。

用語集の管理には、以下のような点に注意しましょう。

管理者を決めて一元管理

それぞれの作業者が好き勝手に用語の追加や修正を行うと、どれが最終版なのかわからなくなったり、いろんなバージョンの版が同時に存在してしまいます。

こうした状況を防ぐために、修正・追加・削除などを管理する管理者を決めておくと良いでしょう。用語の修正や追加をしたいときは管理者に伝え、管理者や、管理者から指示をうけた作業者が修正を行った上で、管理者から関係者に最新版として配布します。

関係者には常に最新版を共有する

用語集はたびたび更新されるのが一般的ですが、関係者には常に「最新版」を共有するようにしましょう。どこかに保存して共有する場合は、ファイル名に版数や日付を入れるなど、必ずどれが最新版なのかわかるようにしておきます。旧版は間違えて使用してしまわないように別の場所に移しておく(同じ場所に置いておかない)ように注意が必要です。

定期的にメンテナンスを行う

作成した用語集は定期的に下記のようなメンテナンスを行いましょう。

  • 不要な用語の削除
  • 重複している用語の削除
  • 訳ブレがないかの確認
  • 使用者のフィードバックの反映

原文や訳文の列で降順・昇順の並べ替えを行うと、重複や訳ブレなどは見つけやすいです。

自作の用語集とも連携できる辞書ツールは

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