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年齢を重ねると言語習得は難しい?大人からでも遅すぎない理由を解説

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こんにちは、かおりちゃんです!

「英語を勉強するなら早いほうが良い」というのはよく聞きますよね。

でもこのようなことを聞くと、「年齢を重ねると英語力は伸びなくなるの?」と心配になってしまいます。本当に歳を重ねると言語習得は不利になってしまうのでしょうか?

先日この以下のようなツイートをしました。

そこで今回は、言語習得と年齢の関係について説明していきます。

年齢を重ねると言語習得は難しい?

結論からいうと、歳をとっても新しい言語を習得することは可能です。定年退職してから英会話を始めて数年で英会話ができるようになる人もいます。

言語習得と年齢の関係についてはさまざまな研究がされていて明確な結論は得られていないものの、何歳から学習を始めても、母国語と同等とはいかなくてもかなり高いレベルまでは到達できることがわかっています。

では幼少期に学習する場合と、ある程度年齢がいってから学習する場合ではどのような違いがあるのでしょうか?そこには確かに「年齢による違い」は存在しています。

言語習得の臨界期仮説はホント?

ドイツの言語学者であり神経学者でもあったLennebergは「人はある年齢を過ぎると言語を習得しようとしても、完全には習得できない」という言語習得の臨界期仮説を提唱しました。

これによると言語は幼少期から思春期頃(12〜13歳)を過ぎると、ネイティブレベルの言語習得はできないそうです。ただしこれには「臨界期は5〜6歳程度」とか「いやいや20歳くらいだ」とか「そもそも臨界期なんて存在しない」など多くの研究があり、明確な結論が出ていません。

ここで注意が必要なのは、言語習得の臨界期仮説はもともと、失語症などで「母語」を喪失した人たちの回復具合から提唱されたもので、つまり「母語の習得」に関しての仮説だということです。

この臨界期仮説はのちに「第二言語」の習得を考えるうえでも利用されるようになりましたが、やはりそちらもいつが臨界期なのか、そもそも臨界期は存在するのか、という明確な結論は出ていません。

第二言語と外国語の違い

「第二言語」と「外国語」は学習の目的が異なるため区別されます。

「第二言語」は、学習言語が住んでいる地域で主に話されているなど、必要に迫られて習得する母語以外の第二の言語です。

例えば日本人が海外留学や転勤などでアメリカに行って英語を習得する場合は、英語が第二言語となります。

一方、「外国語」は、学習している言語が住んでいる地域で話されていない、つまり学習の必然性がない状況下で学習する言語です。

例えば日本で英会話教室などに通う場合や、中学校や高校で英語を学習する場合は「外国語」として学習することになります。

ここからは第二言語と外国語の学習において、年齢との関係を掘り下げて見ていきましょう。

第二言語の習得と年齢の関係

これまでの研究で、子供の学習の方が、成人の学習者に比べて、第二言語習得の到達度が高いという結果が出ています。

理由については諸説ありますが、そのうちの1つに、子供の方が言語習得環境に恵まれているからだとする説があります。

例えば親の都合で海外へ引っ越す子供の場合、現地では第二言語を話す学校に月曜日から金曜日まで毎日通うことになり、学校内では常に第二言語に接しながら過ごします。一方、母親はどうかというと、語学学校などへ行かず家庭内にいる場合、第二言語への接触量が少なくなるため習得が遅れます(実際はいろんな母親がいると思いますが)。

生涯という時間で考えた場合でも、子供のほうが大人より第二言語に接する時間が長いため、最終的な到達度では有利と考えられます。

逆に言えば、学習言語との接触時間が短ければたとえ子供でも第二言語習得は難しい、ともいえますね。

他にも、学習開始時期が早いほど言語の習得率が高いという研究結果があります。

では学習開始時期が遅いほど習得率が落ちるのかというと、17歳以降では習得率に大きなばらつきが出るということがわかっています。

なぜばらつきが出るのかについては、諸説あり明確な答えは出ていません。

外国語の習得と年齢の関係

では、外国語として学習する場合、年齢と言語習得にはどのような関係があるのでしょうか。

ここでは、スペインで行われた「バルセロナ年齢要因プロジェクト」を紹介します。

同プロジェクトでは、スペイン語を話す子どもたちを対象に、「学校での英語の学習時間」と「到達度」を計測しました。

実験方法

  • 学習開始年齢によって被験者を4つのグループにわける(8歳、11歳、14歳、18歳以上)
  • 決まった学習時間(200時間、416時間、726時間)の経過時点で、リスニング・スピーキング・発音などのスキルを計測

この結果、学習開始年齢が遅いグループが、早いグループの成績をほぼすべてのスキルで上回ったのです。

これにより、学習言語と十分な接触時間をとれない外国語学習という環境では「学習開始時期が早くても有利になるわけではない」ということがわかりました。

外国語習得については認知能力の高い大人の方が早く習熟度が上がるという研究結果が出ています。

大人が言語学習をする際の障壁とは

シアトルでオンライン英会話のサービスを提供するNative English Institute(NEI)代表のFrith Maier氏は英語学習者に対し、「英語学習のゴールを達成するために、障壁となっているものは何ですか?」というアンケート調査を行いました。

最も多かった回答は「時間(41%)」という結果でした。

学習言語に接する時間をいかに長く確保するか、やはり皆さん苦労しているんですね。

時間の障壁を乗り越えるために、学習者たちはさまざまな工夫をしています。

  • 日常の時間の使い方を見直し、無駄を省く
  • 作業をしながら聞き流せる教材を活用する
  • スキマ時間で気軽に使えるアプリ など

まとめ

言語の学習においては”Older is faster, younger is better”(年長者の方が学習が早く、年少者のほうがより高い到達度で言語を身につける)といわれてきました。

年齢とともに認知能力はあがるため、大人の方が早く言語が身につきますが、長い時間学習言語に接することができる子供のほうが、最終的な到達度は高いということですね。

子供は好奇心のかたまりですが、大人は歳を取るにつれて物事に対する興味が薄れていきます。興味や好奇心がないと、継続して努力するのが難しいでしょう。

言語学習を始めるのに、いくつになっても遅すぎることはありませんが、何事も継続が大事ということですね。

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