
訳文改善講座──ヒトもすなる翻訳といふものを、生成AIもしてみむとてするなり
2025年10月11日(土曜日)
イベント概要
今回で第4弾となる「訳文改善講座」。ますますAI翻訳は現場で使われるようになってきています。
今回は実務翻訳者の舟津と、書籍編集者の川月がAI翻訳とどのように付き合っているのか紹介します。後半のワークショップでは、AI翻訳の例と、参加者の皆さんの課題訳を題材に訳文改善を試みます。
ワークショップで使う課題訳は大募集します。奮ってご参加ください。
10月11日(土)
- :第1部 企業内翻訳における生成AIの使用事例(舟津)
- :第2部 再確認したい受動態の訳し方(川月)
- :10分休憩
- (途中10分休憩時間あり):第3部 訳文改善実践編(ワークショップ)
舟津由美子

第1部 企業内翻訳における生成AIの使用事例(舟津)
原文を与えると瞬時に訳文を返す生成AI。それだけに目を向けると、人間翻訳不要論が出てきてもおかしくはない。しかし、翻訳をコストではなくブランド力を高める「価値」と捉える企業にとっては、人間翻訳は今も重要な位置を占めている。今回は、企業内翻訳者として、日々の業務の中で生成AIをどのように活用し、訳文のブラッシュアップにつなげているかを紹介する。併せて、社内における人間翻訳に対する評価とその使われ方について、一企業の例として紹介する。
プロフィール
舟津由美子(Yumiko Funatsu)
翻訳の日生まれの翻訳者/翻訳学校講師。
フェリス女学院大学文学部英文学科卒(専門はヘミングウェイ研究)。大学卒業後、印刷会社にてDTPオペレーター、テクニカルライター。その後、ローカライザーを経てマイクロソフト社内翻訳者に。デベロッパーサポート部門付きの翻訳者として18年間、多くの社内・社外文書の翻訳に携わり、その後独立。現在はフリーランスとして都内のサイバーセキュリティ企業で社内翻訳者を務める。
2019年よりフェローアカデミー講師(実務基礎、IT・マーケティングクラスを担当)。訳書(共訳)に『インシデント レスポンス 第3版』がある。
2024年よりJTF理事。JTF翻訳品質委員、JTF業界調査委員、2020~2024年度JTF翻訳祭実行委員。
第2部 再確認したい受動態の訳し方(川月)
英語原文が受動態だと、ついつい「れる/られる」という受身文に訳してしまうもの。それはヒトだけでなくAI翻訳でも同じようです。「受動態=受身」という単純な置き換え訳だと、文脈に合わなかったり意味が通じなくなったりします。英語の参考書ではあまり強調されない能動態と受動態の訳し分け、特に間違えそうな箇所について説明します。
プロフィール
川月現大(Gendai Kawatsuki、風工舎)
主たる業務は編集、DTP。大手ソフトウェア会社でシステム開発業務に従事後、マニュアル制作会社に転職。Microsoft、Oracleのマニュアルのローカリゼーション、書籍・雑誌などの編集を担当。1997年、風工舎設立。編著に『デジタルテキスト編集必携[基本編]』(翔泳社、2012年)がある。近年の興味の関心は、言語学(辞書学含む)や文法知識を編集や訳文チェックに生かす方法の探究。
http://www.fukosha.com/
▼エディテック[hatena]
https://editech.hatenablog.jp/
▼エディテック[ITmedia オルタナティブ・ブログ]
https://blogs.itmedia.co.jp/editech/
▼X(旧Twitter):@editech
川月現大


第3部 訳文改善実践編(ワークショップ)
2025年8月7日、OpenAIはGPT-5を発表しました。性能も以前より大幅に向上しているようです。第3部では、GPT-5やDeepL ProなどのAI翻訳の例と、参加者の皆さんが提出した課題訳を検討しつつ訳文改善を試みます。参加型のセッションです。
以下の課題に取り組みます。
War of words: why journalists need to understand grammar to write accurately about violence
https://theconversation.com/war-of-words-why-journalists-need-to-understand-grammar-to-write-accurately-about-violence-96850
皆さんから頂いた課題訳は匿名で参加者の皆さんに公開します。
ディスカッションパートナー Kaori Myatt

お問い合わせはお気軽に info@humanpowered.academy まで